近年、産後うつの症状が出てしまうママは増えていると言われています。
これは、新型コロナウイルスの影響もあり、周りの友人や家族に会えないことで孤独育児をしている母親が増えていることが考えられています。
また、産後うつは母親なら誰にでも起こりやすい病気でもあるため、人ごとではありません。
そんな産後うつの主な症状や原因、マタニティブルーとの違いなどについて詳しくご紹介します。
- 産後のママに起こる産後うつの症状・原因
- コロナ渦で産後うつの母親は増加しつつある
- 産後うつとマタニティブルーは違う?
- 産後うつかもしれないと思ったら周囲への相談・病院への受診を
- 産後うつは誰にでも起こる病気。まずは受け入れよう
産後のママに起こる産後うつの症状・原因
その産後うつの主な症状と原因をご紹介します。
産後うつの症状
産後うつの主な症状がこちらです。
● 気分が沈む
● 涙もろい
● 疲労感、無気力感
● 育児や家事に集中できない
● 物忘れが多い
● 母親失格だと感じる
● 物事に対応する判断力が低下してしまい、対応できない
● 話し方や動作が鈍くなる
● この世から消えたいと感じる
産後うつになる原因
また、産後うつの症状が起こる原因としては下記が挙げられます。
● 産後でホルモンバランスが乱れている
● 毎日の育児で睡眠不足
● 疲労
● 育児への不安
● 周囲に育児を手伝ってくれる人がいない
● 経済的不安
● ママとしてのプレッシャー
● 過去にうつ病を発症したことがある
コロナ渦で産後うつの母親は増加しつつある
残念なことに、新型コロナウイルスの影響が産後うつを発症する母親を増加させていると言われています。
2017年に産後うつを発症する母親は約10%でしたが、2020年10月に出産後1年未満の母親2132人を調査したところ産後うつの可能性がある母親は約24%いたということです。
この原因は下記が挙げられます。
● 出産を楽しみに待っていてくれた人に赤ちゃんを見せに行けない
● 同居する家族以外になかなか会えない
● 赤ちゃんと自分自身、家族の健康不安
● 今後の育児への不安
● 経済不安
● 支援センターや母親学級などの母親同士の集まりに参加できない
● ママ友が作れない
● 家で子供と二人きりの状態が長く続いているストレス
ただでさえ育児はやることが多く家にいる時間も長いため、母親はストレスを抱えやすいです。
ですがコロナ渦でさらに母親のストレスは一気に増えてしまい、産後うつのママが増えている状況なのです。
産後うつとマタニティブルーは違う?
ここで疑問なのは、産後うつとマタニティブルーはまったく別物なのか?ということですよね。
産後うつについては上でご紹介した通りですが、マタニティブルーと産後うつは似ているようで実は違います。
マタニティブルーとは
マタニティブルーは、妊娠中や出産後の女性に起きる情緒不安の総称です。
明確な理由はないのになぜか悲しい気持ちになったり、涙が出たり、不安で眠れなくなったりといった症状が現れます。
このような症状は1~2週間続き、時間とともに自然と治ります。
産後うつとマタニティブルーの違い
そして産後うつとマタニティブルーの明確な違いは、落ち込みが続く期間だと言われています。
マタニティブルーは1~2週間程度で自然と収まりますが、産後に長期間にわたって気分の落ち込みが続くのであれば産後うつが疑われます。
特に、マタニティブルーが重かった場合や以前に心の病気を経験している方は産後うつになりやすい傾向があるため、マタニティブルーからそのまま産後うつに移行してしまうケースもあります。
産後うつかもしれないと思ったら周囲への相談・病院への受診を
産後うつの症状や原因などを知ると「もしかしたら私は産後うつなのかもしれない・・・」と思うママもいるかもしれません。
そんな時は、まずはパートナーであるパパ(夫)にすぐに相談しましょう。
今自分が不安に思っていることを全て話し、「もう少し育児に協力して欲しい」だけでなく「オムツ替えとミルク作り、寝かしつけを変わって欲しい」など、協力して欲しい内容を具体的に伝えることが大切です。
(うちの夫もそうですが、男性は具体的に話さないと何をしたらいいのかがわからないそうです)
また、パートナーや家族の協力が得られない場合は、地域の子育て支援センターや保健師さんに相談してみることも大事です。
同じ子育てを経験したスタッフが、親身になって相談に乗ってくれるはずです。
さらに、産後うつの症状が次第に重くなる場合は、メンタルクリニック・精神科医等の病院への受診もしてみてください。
決して恥ずかしいことではないですし、専門家に相談することで楽になることもあります。
産後うつは誰にでも起こる病気。まずは受け入れよう
産後うつは現在10人に1人が起こる病気だと言われています。
「病気」と言われてしまうと「病気・・・?私が・・・?」と思ってしまうママもいるかもしれませんが、これは産後のお母さんなら誰にでも起こることですし、決して恥ずかしいことではありません。
また、病気だと思うとなんとなく「なんで大事な育児の期間に病気になってしまったんだ」と自分を責めてしまうかもしれませんが、病気になりたくてなる人なんて一人にもいません。
自分を責める必要はないので、今は自分の体と心の状態と向き合うことが大事です。